#47 スニーカー

2014.07.31

 何年か履いていた真っ白なアディダスが、裏を見てみたらソールのゴムの端が磨り減ってなくなっちゃっていて、このままいつものように履きつぶしてもよかったんだけれど、隠居させて新しいのを買うことにした。カントリー2っていうスニーカーの、白ベースに、三本線も白の真っ白なやつ。三本線まで白いやつはあんまり見たことがなかったので、大事にしようと思ったのだ。

 スニーカーが好きだし、概ねスニーカーばかり履いているが、といっても詳しいわけでもない。購入するお店はもっぱらABCマートだし、この真っ白カントリーも以前ABCマートで安売りされていたものだし。ビンテージがどうとか、メイドイン東南アジアなのかヨーロッパなのか日本なのか、だとか、カンガルー革を使っているとかいないとか、詳しくないし、こだわりもそんなにない。履きつぶすまで履いて、新しいのを買う、その繰り返しである。

 ずーっとアディダス党である。特にスタンスミスというスニーカーのファンである。大好きなマンガ『神戸在住』の劇中で、主人公の友人でモデルの女の子が主人公をショッピングへ連れて行き、そのモデルの子も履いているアディダスのスタンスミスを主人公に買わせるというくだりがあって、そのくだりに影響されたのが高校生のときだったろうか。「全世界で一番売れたスニーカーとしてギネスブック掲載」というのもまた、自分の中の「定番願望」をくすぐってきて、なんだか非常に気に入ってしまったのであった。高校生には決して安くなかったから(他にもっと安く買えるスニーカーがいっぱいあるのに、という意味で)すぐには買えなかったけれど、以降、スタンスミスを何足も履いた。いっとき、ベルクロのも流行ったよね。それもあってスニーカーといえば、白が好きだ。

 とはいえこだわりがそれほど強いわけでもないので、履きつぶしたそのときどきで、ABCマートなどで安く手に入ったスタンスミス以外のアディダス、スーパースターやカントリーも履いて、現在に至る。スタンスミスは今持っていないんだけれど、最近、復刻されたらしいってことで、チャンスがあれば買いたいなと思っている。

 なんかそういう経緯もあって、十年以上ずーっとアディダス党で、それはいいんだけれどなぜだか自分でもよくわからないナイキアレルギーがあるのである。

 男子が色気づき始める中学時代、僕の当時はナイキエアマックス95な時代でありまして、まあ、僕はエアマックスは欲しくなかったけどナイキのバッシュはすごく欲しかった。バスケ部だったし。でも、やっぱ、高くって。全然知らないLAギアっていうブランドのバッシュを履いていた。たぶん生協小樽南店でお母さんに買ってもらったやつ。そういやこの前、スタイリスト男子があの最も狩られた黄色×グレーのグラデーションのエアマックス95(の、たぶん復刻)を履いていて、かっちょよかったなー。時代は巡るわ。

 なんなんだろうな、ナイキアレルギー。この当時のコンプレックスなんだろうか。自分でもよくわからず、もううざったいので、せっかくのスニーカー買い換えタイミングだし今回はスタンスミスやめてナイキ買うたろうと思って、バーゲン中のナイキショップに入ったよね。で買うたよね。ナイキのインターナショナリストちゅうランニングシューズ。軽くて歩きやすくて、見た目もお上品で、なかなか快適。いい買い物した。普段履き用にランニングシューズを買うというのも初めてだ。

 いつも書いてるかもしれないけれど、仕事柄あるいは職場柄、スーツを着なくていいのは本当に僕にとっては素敵なことで。服装もそうだけどスニーカーが履けるというのもいい。「儀礼的である」ことよりも「機能的である」ことに重きが置かれているような空気感を、僕は非常に愛している。すこし前のシャネルのランウェイの足元はみーんなスニーカーだったみたいだし、アウトドアブランドも流行っておるし、これってファッションも含めた空気感なんでしょうかね。何かの記事で、ニューヨークはとにかく歩く街で、だから多くの人々はスニーカーを履いているんだみたいなのがあって、もうそういうの大好き。ニューヨーク行きたいか、行きたいわ、スニーカー履いて。

 ところで雪の多い札幌は冬にスニーカーを履けないから、いや、履いている人はいるけれど僕は雪が入ったり染みたりするのがいやだから、ブーツを履くということになるんだけれども(そういや積雪のある冬のニューヨーカーは何を履いているんだろう)春になって、雪がとけて、その年、初めてスニーカーを出してきて履いたときの、軽さったらなくて。ただでさえ春は軽くなれる季節だというのに羽の生えたよう、とはこういうことだというように。あれも、けっこう愛してる。


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鈴木拓磨 SUZUKI Takuma / suzukishika(鈴木鹿)

コピーライター。札幌の広告制作会社に勤務しています。
1982年早生まれ / 小樽市出身 / 札幌市在住 / 文房具とビールが好物
Shikalog / Twitter / Facebook / mail: suzuki at mark suzukitext dot com